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雇用保険って何?その役割と制度の仕組みを分かりやすく解説

雇用保険 制度 解説
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「雇用保険」は、簡単に言うと会社を退職したときにもらえる保険です。

皆さんがよく耳にするであろう「失業保険」というのは、いわゆるこの雇用保険制度のおかげでもらえるお金です。

会社を辞めた時などに関わってくる大切な制度なので、たとえ今必要なくてもその制度について知っておくことが大切です。

そこで今回はそのような雇用保険の制度について、一体どのような制度なのかを一から解説したいと思います。

雇用保険ってどんな制度?

雇用保険とは、私たちが失業したときや退職したときに、一定の条件を満たすと国からお金がもらえるという制度です。

その大きな目的は、私たちがもし仕事を失ったときに、生活に困ったり、お金がなくて就職活動ができないといった事態が起きないようにサポートするというものです。
失業者の再就職支援のための役割が大きいですね。

雇用保険制度は国(厚生労働省)が運営しており、その手続きなどは各地のハローワークで行われます。

【雇用保険の内容】

対象者(もらえる人) 企業の労働者(※社長や役員、個人事業主とその家族はもらえない)
保険料 会社の経営者(事業主)と労働者で出し合う(割合は業種による)
もらえる給付金
  1. 基本手当(いわゆる失業保険)
  2. 就職促進給付
  3. 教育訓練給付
  4. 雇用継続給付(育児・介護休業給付金等)

雇用保険をもらえるのは、会社(企業)などで働きながら、国に「雇用保険料」を収めていた人です。

ですので、経営者である社長や役員、個人企業主(とその家族)は失業してもお金はもらえません。

失業したときにもらえるお金はどこから出ているのかというと、毎月の給料明細を見てみてください。

毎月のお給料から雇用保険料という項目が引かれていませんか?

この引かれている雇用保険料が、失業したとに国からお金をもらうために支払っている保険料です。この金額に加えて、会社側もいくらか負担して毎月払ってくれているという仕組みです。

もらえるお金の種類については、後ほど詳しく説明しますね。

雇用保険の加入条件

会社は従業員を雇う時、以下の場合は雇用保険に加入させなければなりません

たとえ、パートやアルバイトであっても以下の条件を満たしていれば雇用保険に加入することが義務付けられています。

逆に言うと、毎月雇用保険料が引かれていなければ、雇用保険に加入できていないということで、その会社は法律を守っていないという可能性もあるということです。

雇用保険料は、一般の会社(農林水産・清酒製造事業・建設事業以外)で0.3%程度です。

【雇用保険の加入条件】

①31日以上働く予定であること
②週20時間以上働いていること
③学生でないこと(夜間や定時制、通信教育等は除く)
②他の雇用保険に入っていないこと

65歳未満の企業で働いている正社員、一般社員(契約社員含む)は雇用保険に入ります。

また、派遣社員やパート・アルバイトに関しても、「1週間の労働時間が20時間以上」であることと、同じところで「31日以上継続して働く」予定であれば、雇用保険に加入する対象者になります。

また、農業や冬にしか行わないスキー場などで、季節限定(短期)で働く人も雇用保険に加入できる場合があります。加入条件は「4ヶ月以上雇用される」「1週間の労働時間が30時間を超える」ことです。

平成29年1月1日以降は、65歳以上の労働者も雇用保険に入ることができるようになりました。

雇用保険制度でもらえる給付金の種類

雇用保険に入るメリットは、最初にもお伝えしたとおり、失業したときに国からお金がもらえるということです。

皆さんは失業保険の印象が一番強いと思いますが、実は他にも出産や介護についても、もらえる給付金があるのです。

それでは、雇用保険に入っている場合に貰える給付金について説明します。

基本手当(求職者給付)

これが、一般的に失業保険と呼ばれるものです。

働いていた人が失業してしまった場合、退職する前の6か月間に支払われたお給料の45%~80%が支給されます。

この基本手当でもらえる金額は、失業の理由や年齢、雇用保険料を支払っていた期間によって変わります。

基本手当をもらえる日数

(自己都合・定年退職した場合)
年齢\加入期間 10年未満 10年以上
20年未満
20年以上
全年齢 90日 120日 150日
(倒産、会社都合、契約満了、解雇等の場合)
年齢\加入期間 1年未満 1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
30歳未満 90日 90日 120日 180日
30歳~35歳未満 120日 180日 210日 240日
35歳~45歳未満 150日 180日 240日 270日
45歳~60歳未満 180日 240日 270日 330日
60歳~65歳未満 150日 180日 210日 240日

給付されるための条件

退職前の2年間に、雇用保険料を払っていた期間が通算12か月以上あれば、基本手当はもらえます。

ただし、倒産・解雇の場合は、退職前の1年間のうちに通算6か月あれば大丈夫です。

待機期間と給付制限

この基本手当を受け取るためには、住んでいる地域のハローワークに離職票(会社を退職したという証明)を提出しなければなりません。

そして、現在仕事を探していますという求職者登録をハローワークで行います。

この申し込みをした日から7日間を待機期間といいます。この期間に基本手当をもらうことはできません。

ただし、自己都合で退職した場合はこの7日間に加えて、原則3か月はこの基本手当をもらうことができず、このことを給付制限といいます。もし3か月後にまだ仕事が見つかっていない場合は、基本手当を受けることができます。

就業促進給付

退職後、次の仕事を見つけられた場合に一定の条件をクリアすると貰える給付金です。

再就職手当…再就職した場合にもらえる

就業手当…再就職手当の対象外のもの(アルバイト等)で働くことになった場合にもらえる

教育訓練給付

国(厚生労働大臣)が決めた講座を受けると、その講座をすべて受け終わった後にかかった費用の一部を支給してくれる制度です。

一般教育訓練給付専門実践教育訓練給付の2種類があります。

・一般教育訓練給付

<もらえる人>雇用保険料の支払いが3年以上(初めての人は1年以上)

<給付額>受講料等の20%相当(最大10万円)

・専門実践教育訓練給付

<もらえる人>雇用保険料の支払いが10年以上(初めての人は2年以上)

<給付額>受講料等の40%相当(最大32万円/年、最長3年)※資格取得→就職すると+20%

講座の種類も豊富にあるので、興味がある人は以下のページを参考にしてください。
⇒厚生労働省HP(教育訓練給付制度)

雇用継続給付(育児・介護等)

高齢者や、育児・介護をしている人で、働き続けることが難しい状況の人もいます。

その人たちがなるべく働き続けられるように、サポートするための給付金です。

この給付金は3種類あります。

①育児休業給付

満1歳未満、または1歳2か月の子ども(※)(期間が延長できる場合は1歳6か月又は2歳)を育てるために、育児休暇をとる人がもらえる給付金です。

お休みをした半年後からは50%ほどの金額が支給されます。(それまでは67%程度)

パパ・ママ育休プラス制度を利用する場合

この制度は2010年(平成22年)にスタートした、夫婦で育児休業を取る場合に休業期間を延長することができる制度です。お父さんの育児参加や、育児休業取得を促すのが狙いです。

②介護休業給付

2週間以上にわたって常に介護が必要になる場合の休業について、通算93日まで(分割して取得する場合は3回まで)支給される制度です。

お休みに入るタイミングでのお給料の67%相当が支給されます。

③高年齢雇用継続制度

60歳~65歳未満で、60歳までのお給料よりも安く支払われている人がいます。その金額が60歳になったときよりも75%未満の場合に支給されるお金です。

高齢者もなるべく長く働き続けてほしいので、国が金銭面でサポートする制度ですね。

各月の最大15%相当がもらえるようになっています。

雇用保険についてのまとめ

毎月支払っている雇用保険の保険料はそんなに高くありませんが、失業したとき、出産後、介護、老後など生きていく上ではかなり助けになる制度です

実際、私も契約切りにあったときに、失業保険をもらい本当に助かりました。

失業保険はもちろんですが、やはり出産の時に給付金がでれば、それも大きな助けになるでしょう。

それに、正社員だけの制度と勘違いしている方もいるかもしれませんが、実はアルバイトやパートなどでも条件を満たせば加入できる制度です。

ただし、この給付金をもらうためには、制度について知り、説明会に参加したり書類を提出するなどの手続きも必要です。

雇用保険制度の全てを理解するのはちょっと難しいですが、自分に関係することから知っていくと理解がより深まると思います。

そして、今後、失業・転職した時や、出産、介護など人生の節目でも役立っていくことでしょう。

 

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